門徒さんを訪ねて

第三回目 台東区 五十嵐様ご家族

平成二十四年一月に還浄された喜代一さんのご両親が新潟のご出身で、私が本山勤務の時の上司であった新潟のご住職から御紹介があって、春秋のお彼岸、お盆にご自宅のお内仏(お仏壇)にお参りさせていただくご縁となりました。
 戦火をくぐって大事なご本尊を大切に相続されてきたというお宅です。ご法事の時には皆さん大きな声で『正信偈』を一緒にお勤めいたします。亡くなった喜代一さんのご姉弟にお聞きすると、「朝、一緒に阿弥陀さんの前でお勤めしないと、ご飯を食べさせてもらえなかったのよ」。たしかに、お家の中で親から子に、手を合せること、教えを聞くことの大切さが伝えられてきた長い歴史があったのですね。皆さんのお宅はどうですか?お伝えいただいてますか?
ご長男のご家族と一緒にお勤めしました。 お内仏でもっとも大切なご本尊が正しく安置されています。
 五十嵐喜代一さんは、先祖から大切に受け継いできたご本尊が震災や戦争をくぐり抜ける中で、かなり傷んできたことにとても心を痛めておられ、できればご修復をしてとお考えでした。しかし、傷みが進んでいて修復は難しいと判断されても、新しく本山(京都・東本願寺)からお受けすることをなかなか決断出来ませんでした。
 そこで、「本尊」は「本当に尊いもの」ではなく、「本当に尊い事を示してくださるハタラキ」ですから、と申しあげました。それで、永年ご安置して傷んだ御絵像に感謝して、新しくお迎えする決心がついた、と晴れやかなお顔でお話いただいたことが思い出されます。
 (お内仏は亡くなった方の入れ物ではなく、本当尊い事を教えてくださる阿弥陀さまを安置するプチお寺なのです)
一家に必ずご本尊をおむかえしましょう
真宗の信心の篤い地域では、子が独立するときにご本尊をもたせるということが伝わっています。「家の中心であるお内仏のない家は人の住む家とはいえない。犬小屋と一緒だ」とも言われてきたようです。子供さんのご家庭にもぜひお迎えください。
住宅事情も有りますから、写真のようなお厨子型のお内仏が本山で用意されています。
お気軽におたずねください。