坊守のつぶやき 9号
私が中・高校生の頃「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」が放送されてました。その中で、個性的な役をこなし、人気者だった樹木希林さんが、先日お亡くなりになりました。気になっていた女優さんでしたので、淋しいです。
生前話されていたことが、テレビで注目されていましたが、聞くとハッとし、なるほどと思う言葉がありました。
―生きるのも死んでいくのも、どちらも日常。生きることは良いことで、死ぬことは悪いこと、というのではないと思うのよねー
これを読んで私は、*清沢満之氏の言葉を思い出しました。
《生のみが我等にあらず。死もまた我等なり。我等は生死を共有するものなり》
生があれば死もある。それがいつ来るかは誰にも分からないけれど、死は隠すものでは無いと思う。死があることを自覚してれば、今の生の在り方を問うことができるでしょう。私は“ちゃんと生きてるのかなあぁ〜”って! (*明治期に活躍した大谷派の教学者)
もう一つの言葉は、
―やったことがほんのわずかだもの。やり残したことばっかりでしょう、きっと。一人の人間が生まれてから死ぬまでの間、本当にたわいも無い人生だから、大仰には考えないー
そんなもんでいいんじゃない、全て生きてる証拠だもの!
坊守のつぶやき 目次へ